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2011年11月20日 (日)

おおいた豊後大野ジオシンポジウム2~ジオウォーク~

※http://bungo-ohno-seinen.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-3a41.htmlの続きです。


2日目の今日は、ジオウォーク(フィールドワーク)が行われました。
市内のジオ遺産を実際にめぐり、学習します!
講師及び参加者で事象に詳しい方からレクチャーを受けながら、学びを深めました。

<主な行程>
・エイトピアおおの発→菅尾石仏(三重町)→沈堕の滝(大野町)→出会橋・轟橋(清川町)→滞迫峡(緒方町)→長谷川集会所(緒方町)で昼食→原尻の滝(緒方町)→四ツ割(三重町)→エイトピアおおの着


9時にバスにてエイトピアおおのを出発!

○菅尾石仏(すがおせきぶつ)・柴山河岸段丘(千歳町)
Img_5492
学術的には「磨涯仏(まがいぶつ)」が正しい分類のようです。
磨崖仏とは、崖に彫られた仏像で、いわばその場から動かせないものです。
ただし、国指定を受けた昭和9年当時は、学術的にそのような区分がなかったので「石仏」のまま指定を受けています。

Img_5495
地元の学芸員より、歴史・文化的説明を受けます。
厚肉彫り(丸彫り)をしており、保存状態もよく、美術的評価は高いようです!
臼杵石仏と似たつくりをしています。
また、大分の石仏・磨崖仏が注目され始めたのは案外最近とのこと。
日豊線が整備され、中央から学者が大分へ訪れ始めてからのことだとか。

その後、地質学会の方による地学的な説明も行われました。Img_5514
臼杵や豊後大野は阿蘇山から離れており、岩石の粒が小さく、彫りやすいようです。
また、石仏部とその下部で地質がことなっているそうです。
石仏部のほうが彫りやすかったようです。

また、この石仏のある一帯、柴山河岸段丘についても説明がありました。
Img_5502
この河岸段丘は4段構成(隆起を繰り返す)。最上層は現在の道の駅みえあたりになります。
また、大野川はケイ酸量が世界一だとか!
その他ミネラル等も豊富に含まれているため、この地域は稲作に適しているとのこと。
この講師いわく、「磨崖仏=大野川の彫刻+人の彫刻」、「稲作文化も忘れてはならない!」と提言されていました。


○沈堕の滝(ちんだのたき)
Img_5525
大野町を代表する観光地です。かつては「沈田の滝」と表記されていたようです。
なお、上の写真一枚の中にたくさんの見所が含まれています!

まず、メインの雄滝。
Img_5518
かなりの水量で、20mもの落差があるとか!?
初めて知りましたが、この落差を利用し、「沈堕落とし」という刑もあったとか…。
また、かつてはコンクリートで補修していましたが、景観を損なうとのことで、平成に入り昔の雰囲気に近づけたとのこと。

また、この雄滝の左側の崖にも注目。
Img_5519
この崖自体もきれいな岩石で構成されているそうです。
さらに、この崖にかつて「魚道」(魚の遡上を助ける道)があり、某学会で賞賛されたというエピソードもあるそうです。

さあ、メインの雄滝は有名ですが、忘れてはならないのが雌滝!
Img_5524
雄滝より数百m下流にあります。こちらも迫力満点!
雄滝は人の手が加えられていますが、雌滝は自然のままです!

その他、この滝を活用した水力発電所の遺構があったり(石造りで立派!)、
雪舟が描いたこの滝の水墨画に関するエピソード(現物は関東大震災で消失)を聞いたり、
学びを深めました!

Img_5521
この滝での学習会の様子。
なお、今回は地元のケーブルテレビの取材も同行されました!



○出会橋・轟橋(であいばし・とどろきばし)
※「会」は、正式には旧字体(このPCでは変換されず…。)

山間にある大きな谷にかかる石橋。
轟橋径間32.1m、出会橋径間29.3mは、現存するアーチ式石橋としては日本第1位、第2位とのことです!
(※径間=アーチの幅)

Img_5534
轟橋です!大きくて立派ですね!
この橋、もともとは傾山麓の国有林から伐採材木を運ぶために架けられた鉄道軌道だったそうです!(初耳)
今回、なんと当時の写真を見せていただくことができました!(かなり貴重な写真だとか。)
Img_5537
軌道が敷かれていますね!

Img_5538
このようにして、現在の豊後清川駅(旧:牧口駅)あたりまで運んだとか。


なお、現在は車を通すために、橋の幅員を広げたとか。
下か覗くとわかりますが、拡幅しているのがわかります。
Img_5533
講師が、「道路の端(橋だけに?笑)に立つと下には何もないから怖いですよ~」と語っていたのが印象的でした(笑)

また、轟橋にも注目!
アーチ部分の石が二層構造になっています。これも珍しいそうです。
Img_5529
こちらも立派な石橋です!

両橋とも阿蘇溶結凝灰岩を利用し、かつ生活・産業の中に存在する石橋です。
これがまさに豊後大野らしいのでしょう!(→「灰石の文化」「生活の中にある石の文化」)

さらに、この橋から川を見渡すと面白い光景が!Img_5528
柱状節理が立派ですね!
まるで熊本県氷川町にある「立神峡」のようですね。
(実際に行ったことはないのですが…。なお、この町出身の秋山氏が先ほど胴上げされていました(笑))



○滞迫峡(たいざこきょう)
緒方町の山奥に架かる大橋、奥嶽橋(おくだけばし)。
そこから谷を見下ろすと、これまた素晴らしい光景が広がります!
Img_5544
奥嶽橋です。この橋のおかげで、住民の生活利便性が大きく向上したとか。

Img_5545
見よ、この絶景!
70mを越す柱状節理&清流&紅葉のアンサンブル♪
はじめてこの地を訪ねましたが、こんな絶景が市内にあるとは知りませんでした!
このジオウォークに参加してよかったです☆


○昼食:長谷川集会所
おいしい昼食をいただきました♪

Img_5556
しし鍋

Img_5557
しいたけおにぎりや鹿肉など、地元の食がたくさん!
おいしくいただきました♪

なお、今回地元の方に加え、大分大学経済学部の学生さんもボランティアとして私たちをもてなしてくださいました。
この長谷川地域は、中山間地域で、大分大学の学生さんが調査やボランテイアで活動されているそうです。
地元の方々、学生の方々、ありがとうございました!



○原尻の滝
豊後大野市を代表する観光地ですね!
ジオパーク的にも非常に面白い箇所のようです。

まずは、こちらの画像をご覧ください。
Img_5425
「えっ、すごいところに人が立っているじゃん!?」
「こんな断崖絶壁をどうやって登ったの!?」
…と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
(ちなみに、画像に写っていらっしゃる方は、前日のシンポでお世話になった李氏です。)

このカラクリを説明します!

まず、この画像の滝は「原尻の滝」です。
よく見る画像は、次の感じのものでしょう。
Img_5563 
観光パンフレット等では、このアングルの写真ばかりです。
(今日は偶然水量が多くて迫力がありました!)

ここからアングルを変えます。
滝の脇を通ると…

Img_5570
こんな光景を目にします。
これは、滝の上部を横から覗いたアングルです。
実は、滝の上は水平な川になっており、人は滝の近くまで進むことができます!
それどころか、滝の上そばを車が通るレベルです(笑)
これこそ、「生活の中にある観光地」です!

先ほどのからくりがお分かりいただけたでしょうか?

私も大学時代、他県出身者の友人に原尻の滝を紹介するときにも同じ誤解がありました。
滝と聞くと、
「山の中、森の奥にある」
「断崖絶壁である」
と考えられる方が多いそうです。

しかし、この原尻の滝は、平野を流れる川中に突如と現れる滝です。
山奥のイメージとは大分かけ離れた場所にあります。
私自身、原尻の滝といえばこの光景が当然で何の疑いもなかったのですが、
案外他地域出身者は、この平和に突如現れる滝に驚かれるそうです。

では、滝の上をさらに観察しましょう。
Img_5572
岩の所々に「甌穴(おうけつ、ヤルダン)」が見られます。
これも水の浸食作用によるものだそうです。

また、上から滝つぼを覗くと素敵な光景が…
Img_5573
虹が出ていましたよ!
ただ、高所恐怖症のため、あまり近づけず。。。


その他、原尻の滝周辺の地面に注目ください。
Img_5580
五角形、六角形の岩が見られます。
実はこれ、「冷却摂理」と呼ばれるもので、自然のものであり、実際に下まで伸びているとか!?
案外見逃しがちですが、ジオ視点となるとこういうところまでも注目するんですね!
これはおもしろいです!

原尻の滝ですが、水量だけでなく、浸食作用や火砕流堆積物の構造なども理解する上で重要な場所のようです。


○四ツ割
当初コースにはなかったのですが、岩石がきれいに見える場所として急遽寄りました。
三重町でも清川町に近い場所にあります。

Img_5582
ハンマーを取り出し、講師が解説。
正直専門的過ぎた内容でほとんど理解できず…。
ひとまず、「阿蘇の第4噴火でも、様々な層のでき方がある」「原尻の滝も、沈堕の滝も同じ岩石だ、という意識で観察しないように」と、学習・観察の上での注意を受けた印象でした。



その後、エイトピアおおのに到着、解散となりました。



今回、市内中~南部を回りました。
まず、滞迫峡にはじめて行くことができたのがよかったです!
また、その他の場所は何度も行っていますが、ジオの面で観察したのは初めてでした!
私は文型の人間ですから、理系の視点から豊後大野を見ることはありませんでした。
難しい内容もありましたが、専門家なりの面白い視点は参考になりました♪

今日のウォーク、市外の方はもちろん、特に市内の方にたくさん参加していただければ非常に有意義になると思います!
初めて行く場所はそれだけでも新鮮で学びもありますし、何度も行っている場所でも、なかなかジオの観点で見ることは少ないのではないのでしょうか。
地元新発見・再発見にもってこいな内容でした!

個人的には、こうした知識や体験を通じ、頭と心によい栄養・刺激をいただけたなあと思っています!
今度は、青年団員で訪ねたいな…なんて思っています!(笑)

今回お世話になった皆様、本当にありがとうございました!
また、最後まで読んでくださった皆様もありがとうございます。

長くなりましたが、以上ジオウォークの模様でした。

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<大分県豊後大野市青年団 なないろベース>

○H  P→http://bungo-ohno.oitars.net/

○MAIL→bungoohno@gmail.com

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